とんちゃんといっしょ

Cloudに関する技術とか日常とかについて書いたり書かなかったり

式の前に

朝の9時ぐらいに起きてご飯を食べる。
その間も母とお姉様はバタバタと化粧とか準備をしている。
そんな光景を見るとやっぱり男に生まれてよかったと思う。


母とお姉様は式場に11時30分ぐらいに到着しなければならないらしいので、
10時には家を出なければならないらしい。
父は12時ぐらいに、そして私と兄は13時までに到着すればいいとのこと。


当初は全員バスと電車で移動すると思っていたのだが、
9時半ごろになって兄が突然、会場まで私を連れて車で行くと言い出す。
電車で行くならば1時間30分を見積もらなければならないが、車だと40分ぐらいでいける。
私としては願ったりかなったりだ。


しかし、突然の兄の発言に家族が揉めはじめる。


会場の駐車場は台数が限られているのであらかじめ駐車チケットが配られているらしい。
それで前もって母が兄に車で行くのか聞いていたがそのときは返事をしていなかった。
それが今日になっていきなり言い出したから驚いた母が、
「だからあれほど聞いたのに、駐車場ないよ!」と兄を非難する。
でも、兄は聞く耳持たず。
車で行ってどこかの有料駐車場に車を置く気のようだ。


母が怒る一方で父は、「それなら俺も車に乗せていけ!」と言い出す。
しかし、私たちと父の会場到着必須時間が違うので、会場で待ち時間があるのが嫌いな兄は無視する方向。


そうやって揉めてるうちに、今度はお姉様も「車で行くなら乗せていけ!」と言い出す。
いやいや、あんたの時間に合わせたら私と兄は1時間30分待ちなんですけど・・・


そうやって出発前に揉める面々。


見守る私。


結婚式の当日にこんなことしてていいんだろうか?


結局、揉めた結果はなぜか兄の車ではなく父の車で行くことになる。
家族全員で・・・
しかも、何をトチ狂ったのか父は「車でも1時間30分かかる!」とか言い出して聞かない。
そして、家族全員が10時に出発する羽目になった。


車で行く途中、横に座っていたお姉様が眠いといって私の肩を枕にする。
世間様で言うなら、嫁に行く前の最後の姉弟のスキンシップという感動の光景かもしれない。
でも私は「スーツにファンデーションつくからやめい!」と拒否。
しかし、お姉様曰く「つかないファンデーションだから大丈夫」と言って離れない。
もうめんどくさいので放置しておくことにした。


やっぱり会場に着いたのは家を出てから40分後。
お姉様の到着予定を1時間近く前倒ししての到着である。
父は「早く着いても困らんだろ!」と逆ギレの姿勢をとっていたが、
会場側がまだ準備できてなくて超困ってた。
おかげで全員からの非難の視線を感じたのか、父はいそいそと車を近くの有料駐車場に停めに行った。
惨めだな。


すぐに準備をすると会場の人が言って5分もしないうちにできたらしく、お姉様が行く。
見送ってふと肩を見ると思いっきりファンデーションがスーツについていた。
おかげで、めでたい日なのに思わず反射的に禁止用語でののしってしまったじゃないか。


一応、私と母と兄も式場内のロビーに通されたが現在は別の結婚式の最中らしい。
そこの一部を借りて待たせてもらうことになったのだが、
兄は何食わぬ顔で別の結婚式のために準備された飲み物をもらってくる。
なんかもうヤダのこの家族・・・


10分ほどして父が来る。
自分が通っていた大学のキャンパスがこの辺りだったらしく、時間もあったので散歩をしてくると言い出す。
「ふーん、好きにしてきたらいいがな」と思っていたら母が、心配だからついて行けという。
兄も目線で「俺は行かんからお前いて来い」と言っている。
よもや姉の結婚式に来たのに、暴走する父のお守りをさせられるとおもわなんだ。


本日はお日柄もよく・・・って暑いわボケ!


そんな天気だったので、スーツを着てると汗をかく。
父を見ると汗だくであるが、このおっさんは後で燕尾服を借りてきるらしいので関係ないんだろう。
何でこんなことをしてるのかと自問自答を繰り替えしながら父の後をついていく。


「この通りが・・・」、「あー、懐かしい」、「この辺は変わったな」、「ここは・・・」、etc...
延々と父の説明が繰り広げられていくが、正直どうでもいい。
キャンパスも移動したし、40年も経てば普通は変わるわ。
むしろ変わらんほうがおかしい。


私的には近くにある御所に行きたいと提案したのだが、そんなの昔を懐かしむこのおっさんは聞いちゃいねぇ。
挙句の果てに、「昔ここに学生食堂があった」と行った場所にまだ店があった。
空気読んで潰れてろよ
学生がいなくなった学生食堂は弁当屋として機能していた。
弁当屋なら問題ないかと思ったが、どうも中で食べられるらしい・・・。


もうこの時点で嫌な予感はメーターを振り切っていた。
父が「式まで時間あるし少し食べようか」というのも予想できた。
披露宴で料理が出るので、あまり食べたくはなかった。
それを理由に断固拒否するのは簡単である。
しかし、60のおっさんが40年ぶりに来た店に入るのを断固反対するのは大人気ないを通り越してガキだと思う。
だから素直に同意した自分を「ああ、自分は大人になったなー」と心の中で自分に拍手したくなった。
そのあと殺したくなったけどな。


弁当のメニューは割りと豊富だが、中で食べれるメニューは少ないらしく日替わり定食的なものを頼む。
そして父は店のアルバイトか娘さんっぽい20代の女性相手に、「40年前よくここに来てたんですよ」と昔話。
明らかに40年前に生まれてない人間相手に40年前の話とか嫌がらせだろ。


いじめの現場と思えるような光景を無視して注文したものが来るのを待つ。
昔学生食堂だったころの名残なのか、やたらと大盛りの定食がやってきた。
食べることはできるが、後に響くぐらいの量である。
父は大丈夫かと思って隣を見ると少量である。
この親父、ちゃっかり注文のときに自分だけ少なめにしてやがったな・・・
そして残さず食べた結果、満腹に近い状態になった。


ご飯を食べた後、ようやく式場まで戻る。
結局、おっさんが懐かしい場所をめぐるだけめぐって御所には行けずじまいだった。
式場に戻ってからは、親族と合流して式の開始まで談笑をして待機。


式が始まるまでにこれだけいろいろあったんだから、式でも何かありそうな気がした。
とりあえず、私に被害が及ばないことだけを願おう・・・