とんちゃんといっしょ

Cloudに関する技術とか日常とかについて書いたり書かなかったり

ブラックソルトコーヒー

研究室の時計が深夜1時を回る。
Pascalは「1時に起こして」と言ったのに起こしても起きなかったので放置。
起きているのは私とぽてーさんだけであった。


私はCode Golfで遊んでいたが200Byteの壁が越えらず悩んでいた。
そんな時、後ろの方から「眠いから大人なブラックコーヒーを飲むお」と聞こえてくる。


私は『激甘党のぽてーさんがブラックのコーヒーが飲めるわけない』と思ったので、後ろを向いたまま「練乳入れるんですか?」と尋ねる。
研究室の冷蔵庫にはこの間のぽてーさんの誕生日にプレゼントとして送られた練乳1kgが眠っている。
それ以降、度々ココアやミロに練乳をスプーいっぱい入れるのを目にしている。


だがぽてーさんは「そんなことしないよー」と言って、ブラックコーヒーを作って口を付けた瞬間「苦い、無理だ」
はやっ!


大方の予想通りブラックは無理のようなので、「やっぱり練乳入れるんでしょ?」と尋ねる。
「ねーよwww」と答えながらも悩む様子のぽてーさん。
そして流し台へ向かったと思ったら、ピンク色のケースに入った砂糖と思しき物を携えて戻ってくる。


『ああ、砂糖を入れるのか』と横目で確認してGolfに戻る。
しかし違和感が頭から離れない。
違和感の正体を確かめるべく再度ぽてーさんの方向に振り向いてみる。


・・・砂糖のケースと色違わなくね?
私の記憶が正しいのならば、あのピンク色のケースはだ。


しかしながらそんな私の内心の動揺を他所に、ぽてーさんはケースの内にあったスプーンで粒を確認。
さらに、少量を口に含んで「よし大丈夫だ!」スプーンいっぱいをコップに投入。


ぽてーさんが確認して「大丈夫!」と言ったが信じきれない私がいた。
そこで、ぽてーさんがコーヒーに口を着ける前にケースを確認。
少量を摘んで口へ放り込む。
そして舌の上に広がる塩気。


どう考えてもこれは塩だ。


私はこみ上げる笑いをこらえて、これからの健闘を称えるべくぽてーさんに親指を立てることにした。
ぽてーさんは「やっぱり砂糖だったでしょ?」とこちらに尋ねてきたので首をブンブン振って否定の意を示す。
そのとき私は確かに、ぽてーさんの顔が絶望に変わる瞬間を見た。


そして意を決したぽてーさんがブラックソルトコーヒーを口に含む。
「無理だ!」先ほどのブラックコーヒーのときより早く、そして強い声が上がった。


私も気になったので少しだけ飲ませてもらう。
液体を口に含んだ瞬間、目が覚めるような強烈な塩味。
まったく苦味を感じさせることがないぐらいに強烈な塩気を持った液体が喉を焼き思わずむせる。
そしてそのまま洗面台に直行して口の中にある海水の濃度をはるかに上回る液体をロールバック


あまりの衝撃にベッドで寝ているPascalをもう一度叩き起こして経緯を説明する。
するとPascal「あかんわ、ひどい夢や。俺まだ寝てるわ。だからおやすみ〜」と言って再び眠りにつく。
確かにコーヒーに塩とかベタ過ぎて夢かと思えてくる。


その後、液体は流しに捨てられ、ぽてーさんは新しい飲み物を得ることとなった。
そして、今度はきちんと砂糖のケースを手にしていたことだけはお伝えしておこう。